毎朝の食卓に欠かせない食パンですが、いつも同じ食べ方になってしまいがちですよね。
食パンをトーストしてバターをぬって、ソーセージと目玉焼きを添えて――というのは定番の朝食スタイル。これはこれでとてもおいしいですが、食パンはちょっと手を加えるとさらにおいしくなります。
家庭で特別な調理器具を使わず簡単に、でも劇的に食パンを変化させる方法を紹介します。
食パンにバターをたっぷりぬって、粉チーズをたっぷりふりかけて、オーブントースターで焼いてみてください。
お好みに応じて、マヨネーズやおろしニンニクを添えてもいいでしょう。
このとき、食パンのみみが少し焦げるくらい、いつもよりしっかり焼いてください。
粉チーズが溶けて、これにも少し焦げ目がつけばベストです。
ひと口食べただけで「店で売っている総菜パンのよう」と感じるほど変化します。
バター、チーズ、マヨネーズ、ニンニクは、最強チームといってもよいでしょう。
食パンに和のテイストを加える方法もあります。
一見パンとは縁がなさそうなのり佃煮。これが食パンに合います。しかも、のり佃煮は粘り気があるので、マーガリンのように食パンにぬって伸ばすことができます。
食パンとのり佃煮だけでも意外な味を楽しめますが、ここで一工夫を。
チーズやじゃこ、小口ネギなどをトッピングしてみても、さらにおいしく楽しんでいただけますよ。
タラコは薄皮に包まれてその形を維持していますが、その皮を取り除いて卵(つぶつぶ)をほぐすと、ペースト状になります。
食パンにバターをぬり、その上にほぐしタラコをぬると、タラコスパゲッティと同じ和洋折衷料理になります。コショウをふるのを忘れずに。
そしてもうひと工夫したい方は、オーブントースターで焼いてもいいでしょう。タラコは生でもおいしいのですが、焼きタラコにするとまったく異なる食感になっておいしさが変化します。
タラコの代わりに明太子を使うとピリ辛を味わえます。
食パンの上に納豆をのせてトーストするだけでも十分おいしいのですが、更においしくするためにチーズとバターの力を借ります。
食パンにバターをぬり、その上に、あまりかき混ぜないで納豆をのせて、その上にとろけるチーズをトッピングします。
納豆はかき混ぜるとネバネバが増えるので、ここではあまりかき混ぜないほうがよいでしょう。
この状態でオーブントースターに入れ、チーズが溶けたら完成です。
バターとチーズの油で納豆のくさみが抑えられるので、納豆が苦手な人でもおいしく食べられると思います。
プリンを食パンの上にのせて焼いておいしいわけがない、と思った方は、焼きプリンを思い出してみてください。プリンの表面をこんがり焦がした焼きプリンは、焼け目のパリパリ感とプリン本来のプリプリ感がマッチしているからおいしいんです。
なので、プリンを焼くとおいしくなるのはある意味当然といえます。
ではプリンの甘さと食パンはマッチするのか――。
答えは「マッチします」。
食パンはほかの食材を引き立てるのが得意だからです。
食パン、バゲット、ロールパンなどのプレーンなパンをスイーツに使うと、ケーキのスポンジのような役割を果たします。
食パンを親指の先くらいの大きさにちぎり、平らの皿の上に敷き詰めます。
その上にプリンを崩しながら盛っていきます。
皿のままオーブントースターで4、5分焼けば完成です。
そのまま食べればアツアツスイーツですが、冷蔵庫で冷まして食べるとコールドスイーツになります。どちらもおいしいですよ。
サンドイッチは食パンをおいしく食べる方法であり、さらに、食パンを使って具材をおいしく食べる方法ともいえます。
サンドイッチは代表的なパン料理なので、ここで紹介しないわけにはいきません。
サンドイッチのなかでも面白い組み合わせを紹介します。
サバの切り身を焼いたものを食パンにはさんで食べるサバサンドは、意外なサンドイッチとして知られた存在です。
トルコのソウルフードなんです。
もちろんここでいうサバとは、魚の鯖のことですよ。
「サバがサンドイッチの具材に合うわけがない」と思った人にこそ、サバサンドを試していただきたいです。
サバサンドのつくり方は簡単。
サバの切り身は焼きます。それを、トーストしてバターをぬった食パンにはさむだけ。
なかに、薄くスライスしたタマネギや細かく刻んだシソを添えると高級感が出ます。
サバの切り身は、少し焦げ目がつくくらいよく焼いたほうがいいでしょう。
脂がのったサバなら、焼いたサバをサニーレタスやサンチュで包んでから食パンにはさんでみてください。そうすると脂がパンに染みません。
また切り身を用意できないときは、サバ缶でも代用できます。サバ缶は水煮がよいでしょう。
サバ缶の身は、缶からだしても水気があるので、しっかり水分を取ってから食パンにはさんでください。そうしないと食パンが濡れて食感が悪くなります。
食パンをおいしく食べる方法は、定番のものから、別の料理を真似たもの、意外な食材との組み合わせなど、バリエーションが豊かです。
これだけ姿形(すがたかたち)を変えることができるのは、食パンが何にでもマッチするからです。まさに主食です。
そして食パンの食べ方のバリエーションの多さは、同じ主食のコメと似ています。
コメも、牛肉をのせても、エビをのせても、刺身をのせても、生卵と醤油をかけるだけでもおいしくすることができます。
コメの食べ方が無限なように、食パンの食べ方も無限に存在します。